2007年8月21日火曜日

中国の太平洋分割案

 共同電が「中国、太平洋の東西分割提案か」という物騒な記事を配信した。最近、訪中したキーティング米太平洋軍司令官に中国側が「太平洋を東西に分割し東側を米国、西側を中国が管理する」ことを提案したというのだ。
 分割線がどこかは書いていないが、グアムになるにせよ、ハワイになるにせよ、日本が中国側管理区域にとりのこされることになる。見逃せないのは次の一節だ。

 米政府内の親中派の間では提案に前向きな受け止めもあったが、国防当局は西太平洋の覇権を中国に譲り渡す「大きな過ち」だと主張。日本などアジアの同盟国との関係を台無しにしかねないとして断ったという。


 アメリカは今は断っても、将来どうなるかわかったものではない。防衛を他国に頼ることの危うさに目を向けるべきだ。
 中国が軍事力を増強しつづけるのは間違いないが、ただし「中国、自動車生産2010年に日米を逆転も・1600万台計画」というような中国経済脅威論には眉に唾をつけた方がいい。
 宮崎正弘氏は「中国の成長率が10-11%とは「真っ赤な嘘だ」でレスター・ソローの推計を紹介し、電力消費と購買力平価からいって 4%の成長も怪しいと指摘している。
 中国は独裁体制なのをいいことに、無理に無理を重ねていると見た方がいい。そして、だからこそ危険である。経済破綻が生じた場合、軍事的緊張で国内の不満をそらすのが独裁体制の常套手段だからだ。