2007年10月2日火曜日

ニューヨーク・タイムスが過去記事無料化

 ニューヨーク・タイムスは過去記事の無償公開に踏みきった(media pub)。無償公開されているのは1987年以降の記事だが、それ以前の記事の多くも無料で読めるようである。
 安部公房の訃報を検索したところ、ちゃんと出てきた。

 映画評も無償公開されており、映画評の抜粋と読者の投稿した感想を読むことができる。映画評の全文を読むにはあらかじめ自分のメールアドレスを登録しておく必要があるが、たいした手間ではない。下は『砂の女』の映画評である。

 media pubによると、アーカイブ開放にあわせ、リンク切れがおこらないように記事URLの恒久化するとともに、サーチエンジンの上位に来るように記事のマークアップを変更を進めているということだから、狙いとするところは明確だ。
 過去記事の有償公開にこだわっていてはネット社会では埋没するだけだ。ニューヨーク・タイムスのブランド力を守り、アーカイブという資産を生かすには無償公開に踏みきるしかなかったのである。
 日本はどうか。MSNは毎日新聞との提携をやめて、10月1日に産経新聞と組んで新ニュースサイト「MSN産経ニュース」を開始したが、過去記事の公開は半年間限定である。毎日MSNが3ヶ月だったことを考えれば多少進歩したといえるが、五十歩百歩でしかない。
 一方、毎日新聞は10月1日から「毎日jp」を開設したが、過去記事の公開は一ヶ月間に短縮してしまった。
 ITmediaによると「サイト全体について、アルファブロガーと呼ばれる有名ブロガーやネットジャーナリストに助言をもらった」ということだが、一ヶ月でリンク切れになるようなことをしておいて、本当に意見を聞いたのだろうか。
 アルファブロガーによるお勧め記事のコーナーなどを作るらしいが、有名人に頼ってという発想がすでに古い。こんなことだから、マイクロソフトに見限られるのだ。バカはどこまで行ってもバカである。