2007年10月11日木曜日

「ストリングス」

 デンマークの人形劇映画だが、庵野秀明と長塚圭史が脚色した「ジャパン・バージョン」だという。エイベックスが鳴り物入りで宣伝しているだけに声優陣は豪華で、主人公のハルを草薙剛、その妹ジーナを優香、敵対部族のリーダーでハルと恋に落ちるジータを中谷美紀、他に香取真吾、市村正親、戸田恵子、伊武雅刀、劇団ひとり、小林克也が参加している。
 「脚色」の関与がどのくらいなのかはわからないが、日本語吹替えの出来はベストとはいえない。もそもそ喋っていて、有名スターがそろっているのに、誰が誰だかわかりにくいのだ。専門の声優を使った方が人間関係がわかりやすくなっただろう。
 しかし、作品そのもののレベルが高いので、後半、盛りあがってくる。マリオネットが生きている世界という設定にして、マリオネットの宿命というべき糸をあえてさらしたセンスはすごい。「デビルマン」のように、自分の正義をひっくりかえしてみせたのも、デンマークという小国だからこそ可能になったストーリーだろう。結末は感動した。