2007年11月1日木曜日

「スターダスト」

 ニール・ゲイマンが1997年に発表した同題のファンタジーをマシュー・ヴォーンが映画化。
 映画ファン感謝デーなので、一番すいてそうなこれを見たが、意外によかった。ありきたりのファンタジーではあるが、豪華キャストだし、特撮はよくできているし、もっと評判になってもいい映画だと思う。
 ウォール村の青年トリスタン(チャーリー・コックス)は魔法の国ストームホールドの王女と人間の男の間の子供だったが、自分が高貴な生まれだとは知らず、村一番の美女のヴィクトリア(シエナ・ミラー)に恋していた。ヴィクトリアは金持の息子の方に気があり、トリスタンなど眼中にないが、彼は愛を示すために、ちょうど地上に落ちてきた流れ星を結婚指輪の代わりに一週間以内に持ってくると誓い、村はずれの壁を越えて妖精の国に旅だっていく。
 おりしもストームホールドでは王(ピーター・オトゥール)が亡くなり、トリスタンにとっては伯父にあたる七人の王子の間で王位継承の争いがはじまっていた。王位につくには王位継承の徴であるルビーを手にいれなければならないが、ルビーは天空高く飛び去り、星を一つ流れ星に変えて地上に落下したのだ。
 トリスタンは父から母の形見としてもらった魔法の蠟燭によって流れ星の落下地点に瞬間移動するが、流れ星はイヴェイン(クレア・デインズ)という美女に姿を変え、王位継承のルビーを胸にかけていた。彼はイヴェインを連れて人間世界にもどろうとするが、ルビーをねらう王子たちと、流れ星で若返ろうとする老いた魔女(ミシェル・ファイファー)が三つ巴になってイヴェインを奪いあう。
 冒険の途中には、ほとんど必然性がないのに、キャプテン・シェイクスピア(ロバート・デ・ニーロ)率いる空飛ぶ海賊船がからんでくる(明らかに『天空の城ラピュタ』のパクリ)。
 ミシェル・ファイファーが恐怖の老けメイクを披露したり、デ・ニーロが女装趣味の船長を楽しそうに演じたりとサービスたっぷりで楽しめる。
 ヒロインのクレア・ディンズが意外によかった。デインズは好きではなかったが、『エターナル・サンシャイン』とこの作品で見直した。
 バルトという新宿東映の跡地にできた丸井の中のシネコンで見たが、音響がすばらしかった。端席だったのに、音がばっちり定位したのだ。録音もいいのだろうが、最近の音響設備はすごい。