「ツォツィ」
アソル・フガードという南アフリカの劇作家の同題の小説をギャヴィン・フッド監督が映画化。南アフリカの映画ははじめて見た。
ヨハネスブルクの悪名高いスラム、ソウェト地区で育ったツォツィと呼ばれる青年が主人公である。ツォツィとはならず者という意味のよし。最初に通勤電車で実行される情け容赦のない犯行が描かれるが、かっこのつけ方がわざとらしいというか、一昔前の日活映画に似ている。
ツォツィは次に裕福そうな若い黒人女性の運転するBMVを狙う。豪邸の門を開けるために降りたところを襲い、乗り逃げしようとするが、女性が追ってきたので銃弾を浴びせて殺してしまう。
彼女が車に追いすがったのは赤ん坊が中で寝ているからだった。ツォツィは赤ん坊は殺せず、いっしょに連れて逃げまわることになる。
映画の作り方としては古風で鼻白む部分があるが、直球勝負のよさがある。音楽の迫力は特筆もの。